アマゾンジャパンに対する賠償請求について

アマゾンジャパンの違反被疑行為

 令和2年7月10日、公正取引委員会は、アマゾンジャパン合同会社に対して、独占禁止法上の違反行為(優越的地位の濫用)の疑いがある旨の通知を行いました。
 指摘された違反被疑行為の概要は以下です。
 アマゾンジャパンの小売部門に設置されたホーム、カー&バイク用品、おもちゃ&ホビー、DIY・工具・ガーデン、スポーツ&アウトドア、ホームアプライアンス、家事・季節・空調家電、調理・美容・健康家電、ベビー及びペット用品の各事業部において、取引上の地位が自社に対して劣っている納入業者に対して行った以下の行為。

①減額
 在庫補償契約(注1)を締結することにより、当該契約で定めた額を、納入業者に 支払うべき代金の額から減じている。
②金銭提供
 ・納入業者から仕入れた商品の販売においてアマゾンジャパンの目標とする利益を 得られないことを理由に  、金銭を提供させている。
 ・本件共同マーケティングプログラム契約(注2)に基づき提供すべきサービスの 全部又は一部の提供を行  うことなく、サービスの対価に係る金銭を提供させている。
 ・アマゾンジャパンのシステムへの投資に対する協賛金等の名目で、金銭を提供させている。
③返品
 過剰な在庫であるとアマゾンジャパンが判断した商品について、返品している。

(注1) アマゾンジャパンが納入業者から仕入れている商品の仕入価格が引き下げられた際に締結され る契約で、当該商品のアマゾンジャパンにおける在庫数量に仕入価格の変更前後の差額を乗じる などして算出された額を、当該納入業者がアマゾンジャパンに支払うことを内容とするもの。 (注2) アマゾンジャパンと納入業者との間で締結される当該名称の契約のうち、アマゾンジャパンが、 Amazon.co.jp上の特定の箇所に当該納入業者から仕入れた商品に係る情報を掲載するサービスを 提供し、当該納入業者は、その利用に係る対価として毎月アマゾンジャパンに金銭を支払うこと を内容とするもの。

違反被疑行為の是正と納入業者への返金

 アマゾンジャパンは上記の通知を受け、違反被疑行為の是正計画を策定し、公正取引委員会は同年9月10日、同計画を認定しました。
 是正計画の内容は、上記の違反被疑行為を取りやめること、納入業者への通知、納入業者への返金等です。このうち、納入業者への返金は、約1、400社に対し、総額約20億円と見込まれています。

返金等を受けていない納入業者の方は、至急、弁護士にご相談ください

 納入業者に該当し、上記の違反被疑行為を受けていたにも関わらず、アマゾンジャパンから返金等の是正措置を受けていない納入業者の方は、至急、弁護士にご相談ください。